Directory Serverには、企業のユーザとリソースに関する貴重な情報が含まれています。Directory Serverのインタフェースを使用して、必要な情報を簡単に見つけることができます。検索プロセスを簡略化するため、このインタフェースでは2種類の検索を提供しています。
いずれのタイプの検索を使用する場合でも、検索するエントリのタイプを選択できます。以下のエントリ タイプを検索できます。
Directory Serverが検索を完了した後、一致したすべてのエントリへのリンクを示す検索結果がインタフェースによって表示されます。検索結果リストに表示されるエントリをクリックすると、そのエントリに関する詳細情報が表示されます。エントリがユーザの場合、そのユーザのデジタル名刺、つまりvCardを表示するように選択することもできます。vCardを使用すると、ボタンをクリックするだけで、ユーザをCommunicatorのアドレス帳に簡単に追加できます。
標準検索は、指定されたデータの性質によって異なるタイプの検索を実行します。つまり、検索フィールドに入力した内容によって、一致する氏名、電話番号、電子メール アドレスなどの検索ができます。
入力した内容に応じて、標準検索では、基準に完全に一致するエントリ、基準を含むエントリ、基準に類似した音の語を含むエントリのいずれを検索するかが判定されます。また、[標準検索] フィールドに LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) 検索フィルタを指定して検索することもできます。
以下のような文字列を指定した場合:
標準検索では、指定した値に完全一致、部分一致、または類似する氏名、名、名字の検索が試みられます。
例えば、文字列「son」を指定すると、以下のような結果が戻されます。
以下の順序で以下の項目を含む値を指定した場合:
同様に、以下の順序で以下の項目を含む値を指定した場合:
標準検索では、名の後に名字を表すイニシャルが続くものが検索されます。例えば、文字列「Mark .P」を指定すると、以下のような結果が戻されます。
注:
イニシャルを使用した場合、標準検索では完全一致の検索だけが実行されます。検索で指定した通りのイニシャルと名前を持つエントリのみが戻されます。類似 (発音が似ている) 検索と副文字列検索は実行されません。
標準検索では、入力した値が数字だけから成る場合、電話番号が自動的に検索されます。少なくとも1つの数字の後に続く1つのハイフン (-) を使用することもできます。
このタイプの検索は、「終了文字」検索です。つまり、Directory Serverは指定された値で終了する電話番号を検索します。例えば、値123を入力した場合、123で終了するすべての電話番号が検索されます。
標準検索では、入力した値にアット (@) 記号が含まれる場合、一致する電子メール アドレスが自動的に検索されます。まず、入力値に完全に一致する電子メール アドレスが検索されます。一致エントリが見つからなかった場合は、入力値で開始されるエントリが検索されます。
例えば、文字列「son@」を指定すると、次のような結果が戻されます。
標準検索に正しい検索のタイプを判定させる代りに、LDAP検索フィルタを明示的に指定することもできます。LDAP検索フィルタを使用すると、特定の属性値を対象にエントリを検索できます。標準検索では、等号記号 (=) を含む文字列はすべてLDAP検索フィルタであるとみなされます。例えば、
cn=*eve*
はLDAP検索フィルタであり、文字列eveを含む一般名 (common name - CN) を探す副文字列検索を実行します。LDAP検索フィルタ内で属性を指定するとき、Directory Serverのインタフェースで表示される属性フィールド名ではなく、Directory Server内部で使用される属性ラベル (内部ID) を使用する必要があることに注意してください。例えば、[氏名] 属性フィールドの内部IDは、cnです。標準検索で検索フィルタを入力するには、次のように、属性フィールド名 (氏名) ではなく、内部ID (commonName) を使用してください。
commonName=Smith Fukuda
属性フィールドの中には、第二の省略形の内部IDを持つものがあります。例えば、[氏名] フィールドには、commonNameとcnの2つの内部IDがあります。検索フィルタでは、これらのいずれでも使用できます。
検索フィルタの詳細は、『Directory Server管理者用ガイド』を参照してください。
拡張検索を使用して、特定の属性が指定の値を持つようなエントリを検索できます。例えば、指定した値の電子メール アドレスを持つユーザを検索できます。また、指定した属性値を含まないエントリを検索することもできます。例えば、名字がSmithでないすべてのユーザを検索できます (このような検索では大量の結果が戻されるため、この種の検索の実行は避けてください)。
拡張検索では、入力した語に完全に一致するエントリを戻す完全一致検索が行われます。検索を構築するための [拡張検索] フォームには、4つのフィールドがあります。これら4つのフィールドによって、検索を指定する文が示されます。一般に、この文のは次のように構成されます。
検索: [エントリ タイプ] ただし: [属性] [検索タイプ] [検索文字列]
これらの最初の3つのフィールドのオプションはプルダウン メニューで選択できます。最後のフィールドには、実際の検索文字列を入力します。例えば、次のように検索を構築できます。
検索: [ユーザ] ただし: [名字] [is (一致)] [Bowker]
または、次のように検索を構築できます。
検索: [ユーザ] ただし: [氏名] [sounds like (類似)] [tree]
[検索]フィールドの内容. . . | 選択肢. . . |
---|---|
ユーザまたはNTユーザ | 氏名、 名字、電話番号、 電子メール アドレス、ユーザID、または役職 |
グループまたはNTグループ | 記述、 所有者、または NTグループ タイプ (NTグループの場合) |
組織 | 場所、 電話番号 、または記述 |
任意のタイプ | 名または 記述 |
以下は、[拡張検索]フォームの使用例です。垂直バー (|) はフォーム上のフィールドの区切りを表します。
検索項目. . . | 入力内容. . . |
---|---|
Darleneという名のすべてのユーザ | 検索: ユーザ | ただし: 氏名 | starts with (開始文字) | Darlene |
名字がSweeneyのすべてのユーザ | 検索: ユーザ | ただし: 名字 | is (一致) | Sweeny |
Vice President (副社長) であるすべてのユーザ | 検索: ユーザ | ただし: 役職 | contains (含有) | Vice President |
Accounting (会計) という名前の組織 | 検索: 組織 | ただし: 名前 | is (一致) | Accounting |
Scuba Diving (スキューバダイビング) に興味のあるグループ | 検索: グループ | ただし: 記述 | contains (含有) | scuba |
printerという語を含む名を持つエントリ | 検索: 任意のタイプ | ただし: 名前 | contains (含有) | printer |
標準検索または拡張検索を実行するとき、検索データがDirectory ServerインタフェースによってDirectory Serverへ送信されます。Directory Serverで検索が実行され、一致したエントリがDirectory Serverのインタフェースへ戻されます。結果の表示方法は、以下のような一致の種類によって異なります。
このセクションでは、ディレクトリ ツリーで検索を試みるときに遭遇するその他の問題についても説明しています。
検索結果として一致なしが戻された場合、以下のいずれかを意味します。
「is (一致)」検索に対して1件だけの一致が戻された場合、Directory Serverインタフェースによって、そのエントリに関する情報が検索結果として表示されます。この1件の一致が他の検索方法でも見つかった場合はテーブルに表示されるので、リンクをクリックしてそのエントリの詳細情報を表示する必要があります。このフォームには、エントリを編集するためのボタンが含まれています。エントリを編集するには適切な許可が必要です。また、エントリを編集する前に、認証する必要があります。
検索に対して複数の一致が戻された場合、Directory Serverインタフェースによって、一致したすべてのエントリと、各エントリの関連情報 (エントリの電話番号や電子メールアドレスなど) がテーブルに表示されます。実際に表示される情報は、検索中のエントリのタイプによって決定されます。特定のエントリについて詳細を表示するには、テーブルの最初の列にあるエントリの名前をクリックします。
数値を検索する場合、奇妙な結果が表示されることがあります。これは、Directory Serverでは、実際に数値 (電話番号や部屋番号) であるかどうかに関わず、すべての値が文字列として保存されるためです。このため、数値を検索するときは、スペースや先行するゼロがある場合、それらもすべて含めるように注意してください。
また、Directory Serverインタフェースによって、先行および後続の空白スペースが検索基準からすべて除去されることに注意してください。実際にディレクトリ エントリの値に先行または後続の空白スペースが含まれることはほとんどありませんが、含まれる場合もあります。このために、先行または後続の空白スペースが含まれる値に対する完全一致の検索が失敗します。この問題が発生した場合は、完全一致検索の代わりに、副文字列検索 (contains (含有) 検索) を使用すると良いでしょう。
vCardとはデジタル式の名刺です。普通の名刺と同様、vCardには、ユーザの名前、役職、電話およびファックス番号、電子メール アドレスなどの連絡先情報が含まれています。ただし、普通の名刺と異なり、vCardには、画像、音声、ビデオなどのマルチメディア要素も含めることができます。vCardを表示するには、以下に従ってください。